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管理費・管理委託費を削減するコンサルはマンション管理組合のためになるのか

コンサル会社がマンションの管理委託費の削減を提案する様子

 

管理費を削減するコンサル会社に興味があるものの、「何か怪しい…」との気持ちから、コンサル会社に相談することを控えていませんか?

 

実はコンサル会社は管理費を削減するのではなく、正確にはマンション管理会社に支払う管理委託費を削減するのですが、本記事を読んでいただくことで、あまり意味のないことだとわかります。

 

本記事は3分程度で読むことができ、今後、コンサル会社の提案の本質が理解できるようになり、マンション管理に対する理解が深まります。

 

こんな方におすすめ

  • 管理会社に支払う管理委託費を削減するためにコンサル会社に依頼することを考えている方
  • マンション管理会社に支払う管理委託費を削減したい方

 

 

1 マンションの管理委託費を削減するコンサルティング会社の儲け方

管理委託費を削減するコンサル会社は多いです。

 

その大半がコンサルティング費用として、削減できた●年分の管理委託費を報酬として受け取る仕組みで、削減できなければ報酬は不要という会社まであります。

 

人が動けば人件費がかかるのは当たり前ですが、どう考えても格安のコンサルフィーを提示する会社もあります。

 

この仕組みはコストカッターの理事長や理事会が主体の場合、真っ先に飛びつきます。

 

コストカットの意識は大切ですが、この仕組みに違和感はありませんか?

 

これではコンサル会社は、とにかく管理委託費を削減することが目的になり、本当に管理組合の目線から、管理委託費の削減を手助けしてくれるコンサルかどうかがわからなくなります。

 

 

2 管理委託費の削減はマンション管理組合のためになるのか

コンサルティング費用を、管理委託費の削減の1年分(0.5年や2年といった場合も有り)としているコンサルは、極端な話し、削減できなければ報酬がゼロです。

 

そのため、少しでも管理委託費を削減したいという気持ちを持ちながら行動します。

 

人の気持ちとしてまったく同じサービスで金額だけが違うのであれば、安い方が良いにきまっています。

 

しかし、マンションの管理サービスは実質的な横並びの比較が難しいです。

 

それは労働集約型と呼ばれる事業構造で、人に左右される要素が多いからです。

 

そのため、コンサル会社は、次のような提案をします。

 

コンサル会社からの提案内容

  • 私たちの経験から、管理員の業務時間はこんなにいらないと判断できます。●時間に減らしましょう。
  • コンシェルジュはこの規模であれば週●日で十分です。●日は勤務日数を削減しましょう。
  • エレベーターの保守点検はメーカー系ではなく、独立系で大丈夫です。委託先を変更しましょう。

 

このような提案をそのまま受け入れていては、コンサル会社の思うつぼで、管理仕様をダウンさせ、その分の報酬を支払うということになるだけです。

 

考えてみてください。

 

こういった仕様ダウンは本当に区分所有者・住民が望んでいることなのでしょうか?

 

さらにコンサル会社は管理委託費を削減した分は、修繕積立金の足しにすべきと主張します。

 

耳障りは良いのですが、本質とは違うような気がしませんか?

 

 

3 マンション管理組合は管理委託費の削減金額の見え方に騙されてはいけない

マンション管理委託費削減のコンサル会社の嘘に騙されそうになる様子

マンションの管理組合運営を行うにあたり、冷静に金額を捉えるということが大切です。

 

例えば、「年間50万円の管理委託費が削減できます」と聞いてどう感じますか?

 

ほとんどが「けっこうな金額が削減できる」と感じると思います。

 

では、「一世帯あたり年間1,000円が削減できます。」と聞いてどう感じますか?

 

実はこれ、500世帯のマンションでどちらも同じ金額が削減できるケースを、管理組合目線で捉えるか、世帯単位で捉えるかの違いです。

 

コンサル会社はこの管理組合目線で削減効果をアピールし、その分だけ報酬が多くなるように取り組みます。

 

 

4 マンション管理組合におけるコスト削減の本質を見極める

世帯単位で年間1,000円削減できれば、管理組合としては年間50万円を削減できますし、これを修繕積立金に充当するのであれば、10年で500万円という金額を貯めることができます。

 

しかし、管理員やコンシェルジュの勤務時間を削ることや、エレベーターの点検を独立系に変更する見返りとして1,000円の削減を実現したいでしょうか。

 

大切な安心・安全

「実現したい」という方もいるでしょうが、現状の仕様やメーカー系の安心感、ブランド力は維持して修繕積立金を1,000円多く払うという選択をされる方も多いのではないでしょうか。

 

管理仕様のダウンは費用削減の一つとしては良いのですが、管理委託費の削減額を、足りない修繕積立金に回すという目的に拘り過ぎると、単に管理仕様が低いマンションとなってしまう可能性があることを忘れてはいけません。

 

そしてここで思い出してください。

 

コンサル会社は管理委託費の削減額の●年分という報酬を狙っていますので、本来管理組合の総意でない仕様ダウンによる管理委託費の減額という方法を選ばせる可能性があります。

 

管理委託費の削減を実現し、自らの報酬を確保するという行動に出ることはとてもわかりやすい心理です。

 

さらに、極端に安いコンサルフィーを要求する会社も怪しいと考えてください。

 

コンサル会社は慈善事業ではありません。

 

この場合、コンサルフィーを低く設定し、一種の顧問契約のような形で、継続的に管理組合から手数料を取り続けることが目的になっている可能性が高いため注意が必要です。

 

 

まとめ 管理費・管理委託費を削減するコンサルはマンション管理組合のためになるのか

本記事のまとめ

  • マンションの管理委託費を削減するコンサルティング会社の儲け方
  • 管理委託費の削減はマンション管理組合のためになるのか
  • マンション管理組合は管理委託費の削減金額の見え方に騙されてはいけない
  • マンション管理組合におけるコスト削減の本質を見極める

 

全てのコンサル会社が紹介したようなケースに当てはまることは無いと思いますが、冷静に考えれば管理委託費の削減の仕組みが理解できます。

 

「マンション管理会社に良いようにされていますよ」と言って近づいてくるコンサル会社の思惑にはまらず、管理組合や住民にとって何が大切かということを考えるきっかけになれば幸いです。

 

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