こんな方におすすめ
- タワーマンションの管理組合の理事長、役員
- パーティールームの使用方法に悩んでいる管理組合の理事長、役員
1 タワマンのパーティールームは何をする場所?
タワマンのパーティールームは、居住者同士や居住者の知人、親類との交流を図ることを目的に、タワマンの眺望の良い場所に設置された豪華な共用施設です。
そこに設置されているソファー等の家具は一流品の場合が多く、外部からやってきた知人は、コンシェルジュや各種設備の豪華さに驚くだけでなく、その眺望に満足し、テンションが上がるでしょう。
また、居住者はこのように憧れられるマンションに住んでいるという優越感にひたることができます。
このパーティールームの利用方法は、マンションの管理規約・使用細則等に定めがあり、貸会議室と比較して、格安で利用することができます。
パーティールームの使用料
多くのタワマンのパーティールームの使用料は、居住者であれば1時間で1,000~2,000円程度で使用できる設定です。
来訪者にステータスを感じさせることができ、その眺望の良さも相まって、クリスマス前や近隣の花火大会の日には、利用希望が殺到するため、抽選制度を取っているマンションが多くあるほどです。
なお、パーティールームは格安で使用できますが、タワマンの所有者は実質は固定資産税、施設の維持管理費等(清掃費、備品の交換代)を負担していることを認識しておく必要があります。
2 タワマンのパーティールームの使用ルール
使用にあたっては事前の申し込みが必要になり、大半のタワーマンションでは、次のような規定があります。
パーティールームの使用ルール
- 申し込みは居住者が行う
- 利用人数、時間の制限がある
- 清掃は利用者が行う
- キャンセルの売位の利用料金の返金規定がある
- 鍵は事前にコンシェルジュ(管理員)から受け取り利用後に返却する
3 トラブルが頻発するタワマンのパーティールームの使用実態
うるさい、片づけない、部屋を汚すといった使用マナーだけでなく、使用目的に関してトラブルが頻発しています。
また、この手のトラブルは相手も確信犯でやっているだけに、参加が紹介制であることやSNSへの投稿を禁止して情報が漏れないようにしているケースが多く、解決が難しいという悩ましい側面があります。
以下、トラブル事例です。
トラブル事例
- パーティールームのまた貸しの利用実態
- 見栄を張りたい、豪華さを演出したい人が利用する実態
- グレーゾーン?違法な利用実態
3-1 パーティールームのまた貸しの利用実態
申し込みは居住者が行い、まったく関係のない人にまた貸しを行い、その差額を儲けにするという手法です。
例としては、居住者が1時間1,000円で借りたパーティールームを1時間3,000円で第三者にまた貸しをします。
パーティールームのまた貸し
本来であれば貸し会議室等を利用して婚活パーティーや講演会を行うべき企業や個人が、マンションで問題になる可能性があることをわかったうえで、この方法で施設が豪華なタワマンを利用するので、悪質な利用に繋がります。
3-2 タワマンに住んでいることで見栄を張りたい、豪華さを演出したい人が利用する実態
秋葉原近くのタワマンでは秋葉系のモデルのオーディションが開催されることや、特に港区といった一部地域のタワマンでは異業種交流会という名の男女の出会いを演出するための場所として利用されます。
日常生活の安定を求める人が多く住んでいるのがマンションであるということを理解した人なら躊躇してしまうようなことを行いますので、マンション内で問題になりがちです。
いずれも利用実態としてはタワマンで豪華施設、眺望が良いというステータスを利用して、集客を行い、お金儲けにつなげています。
3-3 グレーゾーン?タワマンで違法なことが行われている利用実態
男女、お金が絡むと往々にして怪しい集まりになります。
大きく摘発されたことがないのは、タワマンの管理組合が実態を認識(証拠を押さえて)して、警察沙汰にすることが難しいからだと思いますが、グレーな集まりによる怪しい利用は後を絶ちません。
4 タワマンの管理組合ができるパーティールームのトラブル対策
パーティールームの使用に関しては、多くのマンションで「営利目的による使用」を禁止しています。
しかし、これだけでは、パーティールームで怪しい集まりがあったときに、その参加者から次のような言い訳をされるとお手上げです。
注意 怪しい言い訳
- 知人と楽しく話をしていただけです。
- 主催者(幹事)には持ち寄った飲食代しか払っていません。
- パーティールームの使用料のみが割り勘で、特別な参加費は支払っていません。
- 知人に誘われて参加しただけで詳しいことは何もわかりません。
それでは、管理組合としての対策を紹介します。
「ここまでやりますか?」、「健全な住民のプライバシーはどうなりますか?」と言った声が聞こえてきそうですが、それは各管理組合で決めることなので、あえて深くは記載しません。
対策のポイント
- 身分証の提出を義務付ける。
- 申し込み時に参加者リスト(氏名、年齢、性別等)の提出を義務付ける。
- パーティールームに防犯カメラを設置する。
- 利用中、管理組合役員が利用状況を申請と合致しているか確認する。
- ネットや広告媒体を利用して参加者を募った集まりは利用NGにする。
- 違反者には一定期間の共用施設の禁止処分の措置をとる。
なお、ネットで「タワーマンション パーティールーム」と検索すると、賃貸マンションも含まれていますが、外部に施設を貸し出している事案が多数出てきます。
重要なことはタワマンの管理組合が利用実態を把握しているのかどうかであり、場合によっては施設を借りた方に直接管理組合から厳しい連絡が入る可能性があります。
レンタルサイトからの予約に注意
タワマンの所有者ではなく、このようなパーティールームのレンタルサイトから利用される方は、自己防衛ためにも、周辺知識を身に付けて、利用の申し込みをされることをお勧めします。
まとめ タワマンのパーティールームの利用実態
本記事のまとめ
- タワマンのパーティールームは何をする場所?
- タワマンのパーティールームの使用ルール
- トラブルが頻発するパーティールームの使用実態
- タワマンの管理組合ができるパーティールームのトラブル対策
トラブルの内容を中心に紹介しましたが、健全に利用している方も多くいるのが実態で、ごく一部の違反者がイメージを悪くしています。
タワマン、上層階、豪華といった言葉が並べば、そこでお金儲けを考える人が集まる構造はわかります。
パーティールームのグレーな利用実態が問題化する前に、各管理組合が個別で対策に乗り出すことにより、問題が起きにくい運用をすることの参考になれば幸いです。
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