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武蔵小杉のタワーマンション~台風被害の今後と中古価格への影響~

多摩川からの武蔵小杉のタワーマンション群の景色

タワーマンションが林立する武蔵小杉のイメージが変わった2019年10月の台風による水災被害から数ヶ月の時間が経ちました。

 

ただ、問題は解決するのに時間を要し、現在も関係者(居住者、管理組合、管理会社、事業主等)の苦労は想像を超えるものだと思います。

 

被害にあったタワマンを中心に中古価格に影響を与える問題を5つの観点から紹介します。

 

※本記事は2020年1月4日に記載した情報がベースとなっています。

こんな方におすすめ

  • 武蔵小杉のタワーマンションの関係者
  • 武蔵小杉を活性化しようと活動している関係者
  • 武蔵小杉に居住することを考えている方

 

 

1 台風(水災)被害を報道された武蔵小杉のタワーマンション

水災被害による停電を中心として連日報道されたタワマンは、東急東横線と横須賀線のちょうど真ん中あたりに位置する、パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー(47階建て、643戸)です。マンション管理組合公式HP

 

現在、そして今後、資産価値=中古価格を維持するために、マンション所有者と管理組合が乗り越えなければならない苦しい問題があります。

 

当該タワマンの所有者や管理組合だけでなく、周辺マンションにも影響を与える可能性があるこれら問題の実態をお伝えします。

 

 

2 マンション管理組合は駐車場使用料収入がなくなる

地下機械式駐車場が水没したことにより、駐車場の使用ができない状況が続いています。

 

一般的な機械式駐車場の水没でも復旧までに数か月かかりますが、今回は大掛かりになるであろう再発防止という観点も必要になりますので、その対応策も検討しなければならず、さらに復旧は遅れると考えています。

 

ココに注意

当然ながら復旧までの間には、管理組合の貴重な財源である駐車場使用料収入がなくなります。

 

当該タワマンは駐車場が400区画設置されていると公式HPでは発表されています。

 

構造はわからないので、断定したことは言えませんが、駐車場使用料を1区画15,000円(低めに想定)と想定すれば、最大で年額7,200万円の管理組合収入の減少に繋がります。

 

このなくなった収入を補うためには、戸当たりで年間10万円以上の負担が必要になるとも考えられます。

 

恐ろしいほどの影響です。

 

 

3 水災被害の復旧工事費をマンションの積立金から支出しなければならない

機械式駐車場は水に浸かってしまうと設備を入れ替える必要があります。

 

この費用は高額で、1区画あたり50~100万円ほどはかかると考えたほうが良いでしょう。

 

駐車場区画の内訳や被害の詳細を把握していませんが、この工事費用は管理組合として見込んでいなかった工事費用として消えてしまうので、区分所有者には単純な負担増として降りかかってきます。

 

 

4 マンション管理組合が復旧・再発防止・資金計画を立案しなければならない

当該タワマンの管理組合としては、日頃から意識高く独自の防災マニュアルの作成や川崎市高層集合住宅の震災対策に関する整備基準の認定を受けてきました。

 

しかし、今回の水災被害で防災計画に抜けがあったことが明らかになりました。

 

今後、管理組合としては再発防止を含めた復旧計画の立案、さらにはかかる費用によっての資金計画の再考を余儀なくされています。

 

これらの計画はマンション理事会が音頭をとって立案する必要がありますが、お金が絡む問題のため、ときには議論は紛糾するでしょうし、合意形成が非常に難しいものになると予想します。

 

また、理事会だけでなく、区分所有者もストレスを抱えた状態での検討となるため、慎重に進めなければならない反面、素早い合意形成を行う必要がありますので、考えるだけでも悩ましい課題に直面しています。

 

修繕積立金の値上げを実施された経験がある方であれば、この大変さは想像できると思います。

 

 

5 マンション所有者の家賃収入がなくなる

部屋を賃貸に出している所有者も多くいます。

 

今回の水災被害で家賃を減額せざるをえなかった方や、場合によっては借り手が退去してしまったケースもあったでしょう。

 

さらに現在は駐車場が使えない状態であり、水災に関して再発防止ができていない状況が続いています。

 

このような状況では部屋の借り手が見つからず、賃貸収入を得ることができない状況が続きます。

 

そうすると、所有者の心理として家賃を値下げしてでも、借り手を見つけたいと考えることで、必然と家賃相場が下がっていきます。

 

 

6 直接的に資産価値に影響が出て中古流通価格が下落する

ここまで紹介した状況により、所有者が最も恐れる「資産価値=中古価格」の低下が起こります。

 

ただでさえ、マンションの購入希望者は武蔵小杉のタワーマンションというだけで、水災被害が想定されてしまう状況で、購入に二の足を踏んでしまいます。

 

そして、購入を考える方は、様々な情報を入手して検討しています。

 

そのときに、管理組合として資金計画、復旧計画、復旧費用、再発防止を検討中で、さらには駐車場が使用できないといった状況を知った時には購入を控えることは明白です。

 

この一連の流れから中古価格を下げなければマンションを売却することができず、マンション価格の下落が始まります。

 

 

まとめ 武蔵小杉タワマンの立ち直り

本記事のまとめ

  • 台風(水災)被害を報道された武蔵小杉のタワーマンション
  • マンション管理組合は駐車場使用料収入がなくなる
  • 水災被害の普及工事費をマンションの積立金から支出しなければならない
  • マンション管理組合が復旧・再発防止・資金計画を立案しなければならない
  • マンション所有者の家賃収入がなくなる
  • 直接的に資産価値に影響が出て中古流通価格が下落する
  • ダミーテキスト

 

武蔵小杉のタワマンにおける水災被害に関して、管理組合、所有者がどのような問題に直面しているのか、状況をまとめてみました。

 

ネガティブな情報ばかりを並べてしまいましたが、パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー管理組合だけでなく、武蔵小杉が持つ地域コミュニティ(NPO法人 小杉駅周辺エリアマネジメント)の活躍が求められていると思います。

 

これら組織の連携により、武蔵小杉は再び立ち直り、これまで以上の情報の発信源となり、タワーマンションの新たな防災対策のモデルケースを創り上げる力がある街であると信じており、実現することを期待しています。

 

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