マンション管理組合 理事長

マンション管理組合の理事長の仕事は大変!つらくて面倒なトラブル対応

マンションの理事長をやりたくなくて悩む男性

 

理事長は仕事も多く、トラブルも多くて大変そうだからやりたくないと思いながら役職決定の理事会に参加したところ、見事…くじ引きで理事長になることが決まりました。

 

こんな場面をイメージしてこの記事(5分前後で読むことができます)をご覧いただくことで、実際に理事長がどれだけ大変か、具体的にどようなトラブル対応が必要かを認識できます。

 

なお、本記事で紹介する内容は管理会社に委託をしていることが前提であり、自主管理だともっと大変になりますが、その観点には触れていません。

 

こんな方におすすめ

  • マンションの理事長が抱えるトラブルや大変さを知りたい方
  • 理事候補となり理事長に就任する可能性がある方
  • 理事長に就任することが決まって理事長の仕事内容を知りたい方

 

 

1 マンション管理組合の理事長の大変な定例仕事

さて、理事長になったらどのような仕事が待っているのでしょうか?

 

また、どのようなトラブルが発生して大変なのでしょうか?

 

まずは定例業務を紹介します。

 

サラリーマンで休みがほとんど無い方や帰りが遅い方は特に、「大変そうだな」、「面倒だな」、「やりたくないな」と感じるでしょう。

 

大変な理事長の仕事

  • 理事長就任後の初仕事は口座名義の変更手続き
  • マンション管理組合の経費の支払いを承認
  • マンションの共用施設の利用やリフォームの承認等
  • マンション管理組合の理事会運営
  • マンション管理組合の総会運営

 

1-1 理事長就任後に口座名義の変更手続き

管理組合が保有する口座は「マンション管理組合 理事長名義」となっており、理事長が変更する度に名義変更の手続きが必要です。

 

必要書類は管理会社が準備してくれますが、署名、捺印、住所等の記載は本人がしなければなりません。

 

ペイオフ対策でたくさんの口座を持っているマンションであれば、何十枚もの書類が必要となり、この初っ端の仕事で「やっぱり理事長は大変。やりたくなかった」と思う人もいるでしょう。

 

なお、金融機関に提出した書類でも、捺印不鮮明や記載の抜け漏れ等で返却されることが多々ありますので、書類には慎重に記載しなければならず、理事長に就任して最初に面倒と感じることです。

 

1-2 マンション管理組合の経費の支払いを承認

マンション管理組合の経費の支払いは管理会社が代行して行います。

 

管理組合・管理会社の双方のメリットを考え、支払業務を簡略化する仕組みは取り入れている場合が多いものの、基本的には支払いの都度、理事長の承認が必要となります。

 

最近では金融機関が提供するサービスでネット上で支払いを承認できる仕組みが普及し始めて、手書きという大変さを軽減され始めています。

 

しかし、まだまだサービスの導入は進んでおらず、この承認作業の際には、面倒ですが金融機関に提出する伝票と管理会社に支払いを指示する書類への署名捺印が必要となります。

 

なお、大規模マンションほど支払い項目が多く、承認しないと管理会社の支払い業務が滞るだけでなく、支払先にも迷惑がかかりますので、タイムリーに書類を管理会社に返却する必要があります。

 

1-3 マンションの共用施設の利用やリフォームの承認等

大型のマンションでは集会室やゲストルームといった共用施設があります。

 

共用施設の多くは事前の利用申請が必要となり、理事長の承認を必要としているケースもあります。

 

また、個人の財産である専有部分をリフォームする時にも、管理規約や使用細則の定めにより、理事会や理事長の承認が必要となります。

 

理事長としては、提出された申請書類を確認して承認する必要があります。

 

単に流し作業で承認もできますが、本来は申請書類に不備がないか、使用ルールや実施する工事内容(床材や電気容量の変更)が管理規約等に違反していないかといったことを確認する必要があります。

 

真剣に向き合おうとすればするほど、かなり面倒で大変な仕事に感じるでしょう。

 

1-4 マンション管理組合の理事会運営

毎月や2ケ月に一度といった頻度で理事会を開催する必要があります。

 

事前に管理会社と議題を擦り合わせることや、当日の議事進行、議事録の作成(書記や管理会社が行いますが確認は必要)といったことの対応が必要です。

 

時間もかかりますし、何より会議体の進行に慣れていない方であれば、苦痛に感じてしまうでしょう。

 

そのような場合、管理会社にお任せすることもできますが、理事会運営の自主性が養われないデメリットが生じます。

 

 

1-5 マンション管理組合の総会運営

最も面倒、大変と感じる1年間の理事長業務の総決算です。

 

総会は理事会と異なり、全区分所有者が参加対象です。

 

そのような会議を仕切ることは、人前で話すことに慣れている方でないと本当に避けたいことだと思います。

 

管理会社から総会の台本(シナリオ)の提出があると思いますが、何人もの前で話さなければならないと考えるだけでも緊張するので、「やりたくない」と思う人が多いです。

 

 

 

2 マンションの理事長が大変な理由…トラブル対応がつらくて面倒

トラブル対応で大変な理事長が助けを求める

 

これから紹介する理事長の仕事は、発生すれば必ず対応しなければならないトラブルばかりです。

 

これらのトラブルが発生すると、内容によってはものすごく大変で「なぜ自分が理事長のときに起きるのか?」と思ってしまいます。

 

しかし、実際には理事長の力でコントロールできないことが多く、発生しないことを祈るばかりです。

 

大変なトラブル対応

  • マンション住民からのクレーム対応
  • 管理費や修繕積立金の滞納
  • 突発的な共用部の不具合
  • 理事会以外の会合…大規模修繕委員会等の出席
  • 管理組合が訴えられると裁判所に出向かなければならない

 

2-1 マンション住民からのクレーム対応

上下階の騒音、ペット飼育(臭い、遠吠え、共用部での糞尿)、ゴミ出しや駐車jマナーといった住民の生活に直結する問題が出るとかなり面倒です。

 

管理組合は共用部分の維持管理を行う団体であり、管理組合が対応すべきことであれば、ある程度は管理会社が間に入って対応します。

 

しかし、管理会社も共用部分の維持管理のために一部業務を管理組合から委託された立場ですので、個人間のトラブルの仲裁には限界があります。

 

そもそも管理会社は個人間のトラブルには関与しませんが実務として対応している場合が多いです。

 

当然ながら管理規約に違反するようなトラブルであれば理事長や理事会の判断が必要となることもあります。

 

こじれたときには理事長の出番ということです。(これが本当に大変でやりたくない理事長の仕事です。)

 

理事長自身も同じマンションに住んでいるため、住民感情を無視した対応もしにくいことから面倒に感じるだけでなく、心理的にも大変な対応となります。

 

2-2 管理費や修繕積立金の滞納

管理費等の滞納が長期に渡る場合、管理組合として法的措置を取らないといけない場合があります。

 

少額訴訟は滞納に関する代表的な法的措置ですが、理事長の名前で訴えを提起する必要があり、さらには裁判所にも出向く必要があります。

 

つまり滞納者に理事長の顔も名前も伝わります。

 

同じマンションに住む者同士として、対応が大変というより、心理的な負担感があります。

 

 

2-3 突発的な共用部の不具合

水が出ない、TVが映らないといった共用部分の突発的な不具合が発生すると理事長は大変です。

 

意識の高い系の住民は管理会社だけでなく、理事長に対しても「早く対応しろ」と言ってくる場合があります。

 

実際は管理会社が修繕業者を手配しますが、状況によっては、管理会社から理事長に緊急の連絡が入ります。

 

正直なところ連絡をもらっても対応できることはありません。

 

しかし、管理会社にとっては理事長にタイムリーに報告していることが重要であり、後日、住民から指摘を受けないための対応です。理事長って大変です。

 

2-4 理事会以外の会合…大規模修繕委員会等の出席

こちらはトラブルという訳ではありませんが、理事長としての仕事で時間的制約を受け、負担になる仕事です。

 

理事会の日程調整は理事長のスケジュールを優先して決定するので、理事会は当然出席しなければなりません。

 

理事会に加えて、タイミングによっては、大規模修繕委員会といった重要な議題のみを審議するための専門委員会が立ち上がっており、この会議体にも関わらなければならないことがあります。

 

この専門委員会には、専門委員が出席義務を負うことになりますが、理事長はその職務上、重要な議題がどのように審議されているのかを把握しておく必要があります。

 

そのため、専門委員会への出席もなかば強制的に義務のような状況になります。

 

なお、専門委員会は、その名のとおり専門的な事案を検討することが目的に設置される委員会です。

 

理事長にとって理事会以上に訳のわからないことを審議することになるので、より大変で面倒に感じるかもしれません。

 

2-5 管理組合が訴えられると裁判所に出向かなければならない

総会の決議内容に瑕疵があったというようなことで、思いがけず区分所有者や住民から管理組合が訴えられる場合があります。

 

このような場合、理事長が裁判所に出向く必要があり、多くの理事長は、大変や面倒というような感情より、心配・不安という感情になるのではないでしょうか。

 

考えてみてください。管理組合を訴えるような住民です。

 

重箱の隅をつつくような内容や、単なる見解の相違でこのような事態に巻き込まれることもあります。

 

 

まとめ マンションの理事長は大変?つらいトラブル対応

 

本記事のまとめ

  • マンション管理組合の理事長の大変な定例仕事
  • マンションの理事長が大変なわけ…トラブル対応が面倒

 

理事長は管理組合が存続する限り、誰かがこの役割を担う必要があります。

 

良くも悪くも、理事長の姿勢次第で管理組合活動は大きく変わります。

 

大変さをメインに紹介してしまって、説得力はあまり無いかもしれませんが、理事長をしてみることで、マンションのことを深く知ることができます。

 

もし、役員の順番が回ってきたときには、「やらされる」というスタンスではなく、資産価値を上げるために「自らが行動する」というスタンスで、理事長を経験してみることがあってもいいのではないでしょうか?

 

経験してみなければわかりませんが、本当にいろんなことが経験できますよ。

 

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