管理規約

マンション管理組合の理事長を配偶者である妻が代理できるのか?

夫婦が仲良く理事会の話をしている様子
Sponsored Link

あなたが管理組合の理事で理事会に出席してみたところ、理事長はご主人の代わりに妻が出席しているという経験はありませんか?

役員の就任資格、理事会の出席資格は、原則として管理規約に定められており、実はこのような対応はできません。

 

しかし、それをNGにしてしまうと理事長のなり手がいない、理事会が成立しないといったことから暗黙の了解でこのような理事会運営が成り立っているのが現状です。

今回は管理規約に基づく正しい解釈と完全ではありませんが解決策を紹介します。

 

こんな方におすすめ

  • 理事長・理事役員の配偶者が理事会に出席している管理組合の役員
  • 理事の出席率が悪く、理事会が成立しにくい理事会運営となっている管理組合の関係者
  • マンション管理組合を正しく運営したい方

 

 

 

Sponsored Link

1.マンション管理組合の理事長に就任できる資格を確認

理事長に就任できる資格を持っているのは誰でしょうか?

標準管理規約には、役員(理事及び監事)を組合員のうちから総会で選任したうえで、理事会で理事のうちから理事長を選ぶと定めています。

 

ココがポイント

役員になるためには、組合員(=区分所有者=部屋の所有者=名義人)ということが資格要件となります。

 

また、役員は住戸ごとに与えられる権利ではなく、マンション管理組合が個人に役員という役割を委任するという形をとります。

そのため、夫婦の共有名義といった場合でも、役員に就任する権利は両方にありますが、どちらか1名が役員に選任されることになります。

 

ココに注意

つまり、同じ部屋から複数名が理事長(役員)になるということはあり得ない状態です。

 

なお、持ち分割合は関係なく、50%:50%でも、極端な言い方をすれば99%:1%でも役員に就任できる権利は変わりません。

今回の記事では外部専門家を役員にするパターンの標準管理規約もありますがそれは考えずに記載します。

 

標準管理規約第35条 (役員)

管理組合に次の役員を置く。

1項省略

2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。

3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。

 

 

2.理事会に理事長の妻(配偶者)が代理で出席することは可能か?

標準管理規約に基づけば「出席できない」が結論です。

 

ココがポイント

ただし、標準管理規約53条のコメントでは、理事会への代理出席を認める旨を管理規約に定める方法も有効としています。

 

これを適用して管理規約を変更しておくことは対策の一つとなります。

 

また、理事長がご主人の場合で、理事会に夫婦そろって参加することは、妻はあくまでもオブザーバーとしての参加で、理事が了承していればできないことはありません。

しかし、理事長の妻ということで、理事長と同じ意見を持った理事が1名増えたような雰囲気になる可能性があるため、決議を左右するような発言等は控えるべきです。

できないことではありませんが、健全な理事会運営のことを考えれば避けた方が良いでしょう。

 

標準管理規約第53条

(理事会の会議及び議事)同コメント

第53条:理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。

          

同コメント: 理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。

 

 

3.総会に理事長の妻(配偶者)が出席することは可能か?

ご主人が理事長になっている場合には、理事長としての役割を担うことはできませんので、理事長が出席できない場合、副理事長が対応すべきです。

一方で、総会に出席すること自体は、共有名義であれば二人揃って出席することができます。

また、周囲の目さえ気にしなければ二人が発言しても何の問題もありません。

 

ココがポイント

ただし、議決権を行使する者は標準管理規約第46条に基づき、1名を代表して選任しておかなければなりませんので、二人そろって挙手をするといったことはできません。

 

さすがに共有名義の相手方が理事長や役員を務めている場合は、務めた方が議決権行使者になるのが常識的な対応です。

 

標準管理規約第46条(議決権)

2 住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。

3 前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない。

 

 

4.組合員でない妻(配偶者)をマンション管理組合の役員にするための解決策

紹介しましたように標準管理規約に基づけば組合員にしか役員資格はありませんので「できない」が結論です。

ここで一歩踏み込んで「できる」方法を考えてみます。

 

マンションを所有していて、管理費や修繕積立金を支払っている権利者であり義務者の組合員でない者が役員に就任することは相応のリスクを抱えています。

一方で、組合員の配偶者や一親等以内といった制限を設けることである程度、組合員の意志に近い決定ができるとも考えられます。

 

ココがポイント

そのため、管理規約で役員資格に「組合員の配偶者や一親等以内の親族」という規定を設けることで共有名義でない妻を役員(理事長)に就任させることは可能になります。

 

なお、当然のことながらこの管理規約の変更を行った場合、総会で妻が役員として選任されても、自然とご主人も理事長となるわけではないことにご注意ください。

 

 

まとめ マンション管理組合の理事長の妻(配偶者)が代理をできるか?

今回紹介した原則論と解決策は次のとおりです。

 

原則論と解決策

  • 役員は組合員のうちから選任しなければならないので、ご主人が組合員の場合、共有名義でなければ妻は役員になることができない。
  • 管理規約を変更し、組合員以外の者(親族等)が役員に就任できるようにすることは可能。
  • 共有名義であれば総会に夫婦そろって出席する権利を有している。ただし、議決権を行使する者はどちらか1名となる。
  • 理事会には役員が出席する権利を持っていることから、理事長の妻であれば自然と出席できるということにはならないため、出席できるようにするためには、妻等が代理出席できる旨を定めておく必要がある。

 

理事会を運営していくために、管理規約と実際の運営方法が異なっていることは多くのマンションで見られます。

今回の記事が皆様の管理組合運営を見直す機会になれば幸いです。

目次に戻る

Sponsored Link

-管理規約
-,

© 2020 くらしの話をしないかね Powered by AFFINGER5