マンション管理組合の理事役員の選び方はマンションによって異なっています。
また、それぞれの選び方にはメリット・デメリットがあります。
本記事では理事役員の選び方を4つにまとめるとともに、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
こんな方におすすめ
- マンション管理組合の理事役員の選び方を検討している方
- マンション管理組合の理事役員のなり手がいない管理組合関係者の方
1 マンション理事役員の選び方に関する標準管理規約
マンション理事役員の選任は、区分所有法において、管理者(多くの場合の理事長のこと)の規定がありますが、その他の役員の規定はありません。
また、標準管理規約においては、役員として理事長、副理事長、会計担当理事、監事(監事は役員だが理事ではない)を置くこととしています。
そしてこの理事の役職は理事会で決定すると規定されています。
理事と監事の選任フロー
総会で「理事」と「監事」は分けて選任した後、理事会で理事長や副理事長を決定するという流れです。
標準管理規約 第35条(役員)
管理組合に次の役員を置く。
一 理事長
二 副理事長 ○名
会計担当理事 ○名
理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
監事 ○名
2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
2 マンション理事役員の選び方は4つ!メリット・デメリット
役員の選出方法は大きく4つあります。
理事役員の選出方法
- 輪番制(順番制)
- 立候補制
- 推薦制
- 抽選制
4つの中から複数の方法を組み合わせることでそれぞれの良いとこ取りを行い、デメリットを消すことも可能です。
また、様々な観点から見たときに、メリット、デメリットの考え方も変わる可能性がありますので、あくまでも一つの考え方として参考になれば幸いです。
なお、国土交通省が概ね5年毎に実施する「マンション総合調査(平成30年度:2018年度)」では輪番制(順番制)を採用しているマンションが75.2%と大半を占める結果となりました。
2-1 輪番制(順番制)のメリット・デメリット
選出方法(最も多く採用)
各階や部屋番号順等の順番を作り、その順番に基づき役員候補者を選出する
メリット
いつ頃役員になるのかがわかる。
年数はかかるものの全員が役員を経験する。
デメリット
輪番が回ってくるまで管理組合活動に無関心になりがち。
1年任期の場合、管理組合運営の継続性が保ちにくい。
2-2 立候補制のメリット・デメリット
選出方法
総会が近づくと立候補を受け付け、立候補した方を役員候補者として選出する
メリット
意識の高い方を選ぶことができる。
理事会活動が活発になりやすい。
デメリット
同じ人が継続的に理事役員になることで管理組合の私物化に繋がる可能性がある。
同じ人に任せておけば良いとの考えから管理組合活動に無関心になりがち。
2-3 推薦制のメリット・デメリット
選出方法
役員にふさわしいと思う方を推薦して選出する
メリット
人望の厚い人を役員に選出できる。
デメリット
押しつけになる可能性がある。
2-4 抽選制のメリット・デメリット
選出方法
くじ引き等で、無作為に役員を選出する
メリット
誰かの意図が介在せず、公平に役員を選出することができる。
年数はかかるものの全員が役員を経験できる。
デメリット
1年任期の場合、管理組合運営の継続性が保ちにくい。
まとめ マンション理事役員の選び方
様々な選出方法がありますが、これがベストという方法はありません。
各マンションの築年数、居住層、これまでの経緯等、それぞれの特性に合わせて選んだほうが良い選出方法は変化します。
そのため、各区分所有者の関心引き付けながら、管理組合運営の継続性が保たれ、公平、公正な観点から時勢に合わせて運営方法を見直していけば良いと思います。
各選出方法を参考に管理組合の特性にあった運営を行ってみてください。