マンション管理組合を法人化するための手続きをどうすればいいか悩んでいませんか?
法人化の手続きは実は簡単で、総会決議と司法書士に数万円の報酬を支払うだけで完了させることができます。
本記事では、管理組合を法人化するときにはどのような手続きが必要か、さらには法人化後に注意することをまとめています。
5分程度で読むことができますので、最後までお読みいただけると幸いです。
こんな方におすすめ
- マンション管理組合を法人化するための手続き知りたい方
- マンション管理組合の法人化後の注意事項を把握しておきたい方
1 マンション管理組合の法人化に関する法律
区分所有法では、マンション管理組合を法人化することに関して、次のような定めがあります。
この定めから管理組合を法人化するためには、「総会の決議」と「登記」が必要となることがわかります。
区分所有法47条(成立等)
第3条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。
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2 マンション管理組合を法人化するには総会での特別決議が必要
区分所有法での「集会」は、標準管理規約では「総会」のことを指します。
そして総会で決めることができる、もしくは決めなければならない事項は大きく「普通決議」と「特別決議」に分かれています。
管理組合を法人化する場合には、議決権総数及び区分所有者総数の各4分3以上の賛成が必要となる「特別決議」にて決定します。
なお、この総会の決議方法につきましては、別の記事でより詳細に記載しておりますので、ご覧いただけると幸いです。
3 マンション管理組合を法人化するために必要となる総会での決議内容
総会で必要となる決議事項は次のとおりです。
管理組合法人化のための決議事項
- マンション管理組合を法人化すること
- マンション管理組合法人の名称と事務所の所在地
- マンション管理規約の変更
3-1 マンション管理組合を法人化すること
当たり前のことですが、マンション管理組合を法人化するということを決議する必要があります。
3-2 マンション管理組合法人の名称と事務所の所在地
事務所はマンションの管理事務室にするのが一般的です。
また、法人の名称は「マンション名+(団地)管理組合法人」、「(団地)管理組合法人+マンション名」として表現する必要があります。
3-3 マンション管理規約の変更
法人化のための管理規約変更箇所
- 管理組合 ⇒ 管理組合法人
- 理事長 ⇒ 代表理事
- 管理者 ⇒ 削除
これまで「管理組合」と記載されていた箇所は「管理組合法人」となります。
また、「理事長」との記載も「代表理事」となりますし、「管理者の定め」が不要となりますので、これらの箇所を変更する必要があります。
その他、特別決議は不要ですが、管理組合法人には理事と監事を置く必要があるので、理事と監事の選任も決議します。
ただし、この決議は普通決議で可能ですので、法人化の議案とは切り離した議案でも可能です。
4 マンション管理組合を法人化するために必要となる登記手続き
総会で法人化が承認されましたら、管理組合法人の事務所所在地を管轄する法務局にて2週間以内に登記手続きを行うことで、法人化が完了します。
登記手続きには数万円の費用はかかりますが司法書士に依頼して、円滑に済ませることをお勧めします。
そして、登記手続きには次の書類が必要となります。
司法書士や法務局によっては、必要と指示される書類が異なり戸惑うことがありますが、いちいち反論はせず、よほど面倒でない限り、準備したほうが無難です。
管理組合法人の登記に必要な書類
- 登記申請書
- 総会議案書・議事録
- 管理規約集
- 理事の就任承諾書
- 代表理事となる方の印鑑証明(複数の場合は全員分)
- 司法書士への手続きの委任状
5 まとめ マンション管理組合を法人化するための手続きをまとめてみた
法人化が完了しても、登記事項が変更となる都度、手続きが必要となります。代表理事の交代は最たるものです。
また、代表理事が交代しないからといって手続きを不要と思う方が多いのですが、実は重任のときには手続きが必要となります。
管理組合法人の重任登記の手続き
この重任のときの手続きとは、2年任期の管理組合法人で、2年連続で代表理事を務め、2年の任期は終了したものの、引き続き代表理事(この代表理事個人から見れば3年目)として選任される場合に必要となる登記手続きです。
2年任期の初年度から代表理事を務め、2年任期の2年目も引き続き代表理事になる場合はこの手続きは不要ですし、そもそも代表者が交代していないことから手続きが不要と思ってしまう方が多いのが実情です。
なお、法人化した後も、従前の管理組合としての契約が無効になるわけではなく、これまで締結していた各種点検等の契約を新たに契約を巻き直す必要はありませんので、ご安心ください。
以上、管理組合を法人化するための手続きをまとめました。本記事が参考になれば幸いです。
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