マンション管理組合 総会

マンション管理組合の「総会の種類」と「決議の種類」

管理組合の総会と決議の種類
アシスタント
管理組合の総会って年に1回しか開催できないんですか?
必要な手続きをとればいつでも開催できますよ。
ふどみつ
アシスタント
そうなんですね。決議は3分の2以上の賛成でしたっけ?
よく間違えられるんですが3分の2で決める事項はないんです。
ふどみつ

 

このような会話は管理組合運営をしているとよくあります。

 

この記事では管理組合の「総会の種類」と「決議の種類」を紹介します。

 

こんな方におすすめ

  • マンション管理組合の総会の開催方法や決議の種類を知りたい方
  • マンション管理組合の理事長・役員(理事・監事)
 
 

1 マンション管理組合の総会

管理組合における総会は最高の意思決定機関であり、区分所有法に定められた集会のことを言います。

 

標準管理規約では「総会」、区分所有法では「集会」となっていることにご注意ください。

 

そして、標準管理規約には第42条に「理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2ケ月以内に招集しなければならない。」との規定があります。

 

このような規定に基づき、理事長は毎年通常総会を開催する必要があります。

 

決算から総会開催までの間隔

新会計年度開始以後2ケ月以内という規定は、決算を締めてから管理組合役員、管理会社の業務負担が一時的に大きくなるために、多くのマンションでは3ケ月以内と定めています。

 

また、最近のトレンドとして、業務負担の平準化、働き方改革により2ケ月と定めているマンションでも3ケ月に変更する例が見られ始めています。

 

標準管理規約も3ケ月以内との記載に変更いただくことで、管理組合、管理会社の双方の関係者は喜ぶと思います。

 

 

 

2 マンション管理組合における総会の種類

マンション管理組合の総会会場の様子

 

2-1 1年に1度の通常総会(定期総会・定期集会)

定期総会や定期集会と表現するマンションもありますが、標準管理規約では通常総会との表現を使用しています。

通常総会で毎年決議する事項

  • 一年間の決算報告
  • 監査報告
  • 管理会社との管理委託契約の更新
  • 来期の事業計画案・予算案
  • 来期の役員の選出

 

検討状況に応じ決議する事項

  • 長期修繕計画案
  • 修繕積立金の運用
  • 管理規約の制定、変更又は廃止
  • 敷地及び共用部分等の変更
  • 大規模修繕工事の実施

 

2-2 臨時で開催する臨時総会

通常総会に議案上程が間に合わなかったものの、1年後の通常総会までは決定を待てないこと(期日が決まっている補助金がもらえる工事の実施や費用削減で早く総会を開催したほうが管理組合にメリットが多いことなど)や期中に起こるイレギュラーな問題を審議します。

 

 

3 マンション管理組合における総会決議の種類

3-1 普通決議(半数で決議)

ほとんどの議案はこの普通決議に該当します。

 

決議要件としては、出席組合員の議決権の過半数で決議します。

 

例として組合員総数が100名、議決権総数が100(1名1の議決権)のマンションでは、総会の会議自体が成立するための要件として「議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。」と定められていますので、50名以上の参加があって総会が成立します。

 

普通決議のポイント

普通決議では最小の人数で決議しようと思うと総会に50名が参加(これは総会当日に会場にいる人の数ではなく、委任状、議決権行使書を提出した数も含む)し、その過半数の26名の賛成があれば、可決されることになります。

 

3-2 特別決議(4分の3で決議)

管理規約の変更や共用部分の大きな変更は、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する必要があります。

 

特別決議のポイント

普通決議とは異なり、「総数」という表現が使用され、さらには組合員総数「及び」議決権総数という表現が使用されていることです。

 

普通決議の例で示したような総会は成立しますが、50名しか参加していない場合は、「総数」の4分の3以上、つまり、75名以上の賛成は得られないことから、総会は成立するものの、出席者全員が賛成してもそもそも要件を満たすことができないという状態もありえます。

 

さらには、一人が多くの部屋を所有しているような場合、組合員総数が75名、議決権総数が100(1名が25の議決権を所有)の場合は、25の議決権を有している方が反対すれば、その他全員が賛成しても、議決権総数の4分の3を満たすことができず、それだけで否決となります。

 

特別決議の注意事項

この4分の3という数値をおそらく国会や株主総会等の数値だと思いますが、3分の2という数値で誤解している人もいますのでご注意ください。

 

3-3 その他例外的な決議

建替え決議等は、別の法律の定めにより組合員総数の5分の4以上及び議決権総数の5分の4以上の賛成が必要といった例外的な決議はありますが、高経年のマンションといった場合を除き、ほとんどの組合ではあまり想定しなくても良いかもしれません。

 

 

まとめ マンション管理組合の「総会の種類」と「決議の種類」

本記事のまとめ

  • マンション管理組合の総会
  • マンション管理組合における総会の種類
  • マンション管理組合における総会決議の種類

 

決議要件を間違えると決議の有効性を問われたときにややこしい話になります。

 

総会の決議要件は、半数だと4分の3だのいろいろな決議の基準がありますが、迷ったら管理規約を確認してみましょう。

 

また、管理会社に助言を求めるのが最も楽な方法ですので、気軽に確認してみましょう。

 

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