【こんな悩みを解決したい】
- マンション管理組合の役員(理事・監事)に就任することを上手く断る方法を知りたい
- マンション管理組合の役員(理事・監事)に就任しても上手く逃れる方法を知りたい
マンション管理組合の理事の順番が回ってきて、何とか上手く断りたいと悩んでいませんか。
もしくはすでに役員に就任していて、どうにかして負担を避けたいと考えていませんか。
役員に就任することをお勧めしますが、この記事ではどうしても事情がある方に向けて角を立てず「断る方法・逃れる方法」をお伝えします。
5分程度で読むことができ、すぐに対応できますので最後までお読みいただけると幸いです。
1 マンション管理組合役員の就任は断ることができるのか?
そもそも、役員の就任は断ることができるのでしょうか?
断ることはお勧めしませんが、結論から言ってしまえば、「断ること」、「辞退すること」ができます。
ただし、役員の就任を辞退する際に金銭の負担が必要となる場合がありますので、ご自身のマンションの管理規約を確認しておく必要があります。
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こちらの記事を確認後に本記事を読んでいただくと理解が深まりやすいと思います。
一方で役員の就任を引き受けないと、どうしても周囲から良くは見られません。
本記事では役員の就任がどうしても難しい場合、マンション生活を考えたときに、角を立てない断り方を紹介します。
参考として役員を引き受けない理由を、2018年(平成30年)のマンション総合調査の結果で確認しましょう。
マンション総合調査の結果
役員を引き受けない理由
1位:高齢のため 36.4%
2位:仕事等が忙しく時間的に無理だから 22.7%
3位:面倒くさいから 18.2%
※年代別では70歳代以上の82.4%が「高齢のため」、30~50歳代の38.9%が「仕事等が忙しく時間的に無理だから」となっている。
2 マンション管理組合役員(理事)の業務・負担
理事としての最も負担を感じることは、定期的に理事会に参加して、年に一度、総会を開催することであり、その他、状況によって多くの業務があります。
マンション管理組合役員の業務
総会の前後が引継ぎも重なり、最も大変な時期になります。
- 定期的な理事会の開催
- 設備点検の結果や清掃状況の確認と不具合があればどのように対応するかを決定
- マンション全体の管理状況(会計管理、居住者からのご意見等)を共有して検討
- 年に一度、事業・会計報告、次年度の事業計画・予算の決定、来期役員の選出や理事会で決めることができない管理規約の変更等を審議するための総会を開催
理事会の開催頻度は議題の重さや数によって変わりますが、小規模マンションであれば2~3ヶ月に一度という場合が多いです。
一方、大規模マンションほど月1回の開催頻度に近づき、2~3時間程度の開催時間となります。
なお、長い理事会では4~5時間ほどかかる場合もありますが、これは管理会社の準備不足か理事会役員の進行に起因することが多いです。
役職によって異なる負担感
- 理事長:日々の管理会社からの相談や支払い関係の承認もあり、毎週、確認しなければならない書類がたくさんある
- 監事:管理組合の業務執行、会計状況に問題がないかを確認して、総会に報告する義務があり、総会のために行う監査はある程度慣れた方でも真剣に向き合えば数時間はかかる
役職によっても負担感は異なりますが、時間的拘束への抵抗感や、状況によっても大きく左右されます。
特に大規模修繕工事の実施や修繕積立金を値上げの時期は、区分所有者や居住者に負担をお願いすることが多くなることから、役員就任を避けられる傾向があります。
3 理事会で重要視される役職への就任を断る方法
自ら進んで役員に就任したいという方は、非常に少ないということが実態です。
役員に就任するときに思うこと
- 役員就任の順番が来たからしょうがない
- みんな役員に就任しているからしょうがない
- 自分が役員のときに面倒な議題は避けてほしい
このような思いを持って管理組合役員に就任する方が大半のため、集団心理から役員就任を断ると、「なぜあの人は役員就任を断ったのか?」、「あの人は非協力的だ」といったことに繋がります。
この状況を避けるためには、管理組合役員の就任を断る場合は、とにかく「角が立たない断り方」、「誰もがうなずく正論による断り方」が必要となります。
4 管理組合役員の就任を断る方法と理由付け
標準管理規約に基づき、役員は組合員=区分所有者から選任するという前提での、役員就任を断る方法及び断り方を紹介します。
役員就任の断り方
- 仕事が忙しいことを理由にする
- 海外赴任を理由にする
- 高齢を理由にする
- 子どもが小さいことを理由にする
4-1 仕事が忙しいことを理由に断る
多くの人が同じで、そのような人からは、まったくもって共感されません。
それでは次の言葉を添えるとどうでしょうか?
印象が変わりませんか?
断り方
出張が多く(もしくは帰りが遅い、土日が仕事)、私が理事会に加入することにより、理事会成立に影響を与えてしまい、ご迷惑をかけてしまいます。
将来的に再度順番が回って来たときには、仕事の状況も変わっていると思いますので、そのときは喜んで役員に就任します。
そのため、今回の順番は飛ばしていただけませんか?
4-2 海外赴任を理由に断る
海外にいる時間が多いことを理由にすると、就任するように説得する気持ちは弱くなります。
断り方
海外赴任が決まっており、あまり日本に帰って来ることができず、私が理事会に加入することにより、理事会成立に影響を与えてしまい、ご迷惑をかけてしまいます。
数年で今の仕事の状況は変わると思いますので、将来的に再度順番が回って来たときには、喜んで役員に就任します。
そのため、今回の順番は飛ばしていただけませんか?
4-3 高齢を理由に断る
高齢化は多くのマンションの課題です。①と同じ理由でお勧めできません。
断り方
今、このマンションに必要なのは現役世代の方々が管理組合運営に関心を持っていただき、マンションをどのようにしていきたいかということを話合うことだと思います。
私が就任するとそのような方々の機会を奪ってしまい、さらには役員に就任しても古い考えでの意見を言ってしまいます。
役員に就任しない範囲での管理組合運営のへの協力はできる限りさせていただくので、就任は辞退させていただきたいと思います。
4-4 子供が小さいことを理由に断る
単純にこの理由では、理事会に連れてきても良いと言われますし、家族で協力して子育てすれば良いと言われてしまいます。
断り方
子供が小さいときはかけがえのない時で、できる限り一緒にいてあげたいのです。
将来的に再度順番が回って来たときには、子供も成長していますので、そのときには喜んで就任します。
そのため、今回の順番は飛ばしていただけませんか?
5 お勧めしない断り方である管理組合役員の就任後の辞任
あらかじめ役員の就任を断る方法に加えて、あえて一度は就任してから辞任するという方法があります。
ただし、この断り方は角が立つ場合がありますので、お勧めしませんが、あくまでも一つの方法として紹介します。
あえて一度は役員に就任する方法
- 積極的に理事会に出席できる日を伝える
- 引っ越しを検討していると伝える
- 役員就任後に辞任する
5-1 積極的に理事会に出席できる候補日を伝える
役員に就任した場合、理事会に参加するかどうかが重要視されますので、やる気があると見せかけるためにあえて積極的に「第●週の●曜日の●時頃からであれば参加します」と伝えておきます。
そうすると参加の意志があることは伝わります。
断り方のポイント
多くの方が選ばないような理事会の日程を伝えます。
例えば、「月曜日の朝10時や金曜日の22時からであれば理事会に参加できます」といった日程です。
理事会は理事長の都合を優先しつつ、最も役員(厳密には理事)が参加できる日程で開催されますので、まずこういった日程では開催されません。
理事会が成立するかどうかは重要なことのため、日程が合いにくいことを理由に、役員の就任を断る理由として話を通すことができるかもしれません。
しかし、時間的自由が多い役員が揃った場合、実際にその時間に理事会が開催される可能性があります。
そうなった場合、参加するしかありませんね…。
5-2 引っ越しを検討していると伝える
引っ越しする予定であり、役員に就任すると理事会に迷惑をかけてしまうと伝えます。
実際に引っ越しをすればいいのですが、しなかった場合、「あの人引っ越し予定ではなかったのか?」となり、白い目でみられます。
役員の就任要件に注意
役員の就任要件として、「マンションに現に居住する」=「現住規定」が撤廃されたマンションでは、所有者でいる限り、役員に就任できますので、管理規約を確認しておく必要があります。
5-3 役員就任後に辞任する
知能犯と言えるかなりずる賢い断り方です。
まずは役員にすんなり就任します。そして、理事会開催案内等には必ず返事をします。
その後、2回ほど理事会を欠席して、「何とか理事会の役に立ちたいと思って役員に就任したが、結果、理事会に出席できず迷惑をかけてしまっている。理事会も成立しにくくなってしまうため辞任したい。」と申し出ます。
管理組合と役員の関係は委任関係であり、いつでも辞任を申し出ることができますので、協力姿勢は示しながら、辞任する方法です。
後任をどうするか検討が必要
後任を決めなければならないといったことで、後任の役員や補充の決議を行う理事会役員に負担をかけてしまうので、あまりお勧めできません。
まとめ マンション管理組合役員の就任を断る方法
管理組合役員はプライベートな時間を取られて面倒といったことや、そもそも管理組合活動に協力する気もないという方が多くいるのは事実です。
また、管理組合役員はボランティア活動と言われることもあります。
ここで考えていただきたいことは、管理組合活動はマンションの資産価値を上げるために行うということです。
自分のためになる管理組合活動
管理組合活動を通して知り合う人々、身に付けることができる知識や経験は決してボランティアのような見返りを求めない無償奉仕ではなく、自分のために、家族のために、マンションのために返ってくることが多いものです。
今回はこのような記事を書きましたが、役員に就任する機会が訪れたときには、積極的に関与されることをお勧めします。
※矛盾しているようですみません。
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