マンション管理組合

複合型マンションはデメリットばかり?管理組合運営が大変な背景をまとめてみた

複合型マンション デメリット

 

駅と直結しているタワーマンションの1階に大型スーパーが入っているマンションを見てどう思いますか?

 

住んだら便利だろうな、資産価値が高そうだな、と思う方が多いのではないでしょうか?

 

一方でマンション管理組合運営に関わったことがある人なら、「管理組合運営が大変そう」、「権利形態ってどうなっているの?」と思ったことはありませんか?

 

このようなマンションは複合型マンションと呼ばれていて、管理組合運営の面では標準的なマンションに比べ多くのデメリットがあります。

 

関わらなければ見えてこない複合型マンションのデメリットを紹介します。

 

こんな方におすすめ

  • 複合型マンションの管理組合運営上のデメリットを知りたい方
  • 複合型マンションの購入を検討している方
  • 複合型マンションの所有者

 

 

1 複合型マンションのデメリットは管理組合運営で明らかになる

下層階に商業エリアを設けたマンションは、標準管理規約において「複合用途型」として規定されていて、標準マンションと比べて、管理組合の構成が異なります。

 

複合型では管理組合の中にさらに「住宅部会」と「店舗部会」という組織を作り、それぞれの一部共用部分を管理するための組織体制となっています。

 

また、複合型マンションの多くは再開発として地域の活性化に大きく貢献する中、たいてい地権者がマンション建設後にも存在します。

 

地権者の存在、管理組合の組織体制、さらには再開発という仕組みによって、複合型マンションの管理組合運営には多くのデメリットが生じます。

 

複合型マンションのデメリット

  • 再開発による複合マンションは地権者と新規購入者が対立
  • マンション管理組合運営で対立を繰り返す住宅部会と店舗部会
  • 組合運営の会計、管理規約、工事の調整が大変
  • 行政や公共交通機関とのやりとりが大変

 

地権者とは?

マンションが建設される前に土地を所有しており、その土地の権利と交換(権利変換)して建設後のマンションを所有する方。

マンションの分譲前に良い条件の区画を所有できることが多く、地権者によっては土地を売る方もいる。

 

 

2 再開発による複合型マンションは地権者と新規購入者が対立

地権者と新規購入者が対立する様子

 

地権者と新たにマンションを購入して入居した方々との間に溝が生じることは、複合型マンションのあるあるです。

 

地権者と新規購入者の対立背景

  • 地権者は年配の方が多く、購入者層は現役世帯が多く、考え方が合わない。
  • 地権者は再開発や建替えの経緯を知っていて、その経緯や考えを否定されることをされると反発する。
  • 新規購入者は、新しく建設されたマンションという認識が強く、地権者だからといって特別なわけでないと感じている。

 

対立構造になるのは、地権者がマンション建設後の管理組合運営の中心を担うケースが多いことによります。

 

再開発組合によるマンションの建設であれば、再開発組合の理事長等が竣工後の管理組合の理事長を担うことや実質的に地権者によって運営されるケースは多くあります。

 

しかし、この体制が2年、3年と続くと、地権者中心の管理組合運営に疑問が生じることが多くなります。

 

特に地権者は地場の業者を知っており、昔からの人間関係に頼ることもあります。

 

そのことが癒着といった見え方に繋がってしまい、溝が深まるといった悪循環に陥ります。

 

対立構造が鮮明になる

実際に癒着等はなくても、そのように見えてしまうことにより、対立構造が鮮明になります。

 

 

3 複合型マンションの管理組合運営で対立を繰り返す住宅部会と店舗部会

住宅部会は静かな暮らしを、店舗部会は商売をするため人を招き入れることに力を入れたいというスタンスで各部会の運営を行います。

 

また、店舗部会は商売をしていることが多くお金に対する考え方が住居区画の所有者と異なりがちです。

 

3-1 住宅部会と店舗部会の対立背景 修繕積立金

店舗区画を所有する方は、修繕積立金は使う時に払えば良いという考えが多いです。

 

店舗運営の大半は営利を目的とし、将来区画を売却する可能性がある方からすれば、修繕積立金を毎月負担することは避けたいのです。

 

3-2 住宅部会と店舗部会の対立背景 静かな暮らしと賑わい

例えば近隣で花火大会があるとき、1階にコンビニがあれば店の前にブースを出します。

 

また、駅近マンションであれば自転車の駐輪も多くなります。

 

さらに当日はマンションに人が入ってこないように特別に警備員を雇うようなことも想定しなければなりません。

 

しかし、マンションの居住者にとっては、人が集まることは迷惑でしかありません。

 

特に次の日の近隣に放置されているゴミを見たらびっくりすることでしょう。

 

居住者から見た迷惑な実例

実際に商業エリアのトイレの設備が破壊されるといったことにより、花火大会当日はトイレの使用を禁止するといった対応を行ったマンションがあります。

 

 

4 複合型マンションの管理組合運営は管理規約・会計・工事の実施や費用負担の調整が大変

複合型マンションの複雑な会計管理をイメージさせる写真

 

複合型マンションでは、管理組合・住宅部会・店舗部会に分かれ、それぞれの組織で会計管理を行うだけでなく総会を開催する必要があります。

 

このことが原因で3つの観点からややこしい問題(デメリット)が発生し調整が必要になります。

 

複合管理組合の運営上のデメリット

  • 管理規約の問題
  • 会計管理の問題
  • 工事の実施や費用負担

 

4-1 管理規約の問題

管理規約が一体型だと、住宅側でやりたいと思ったことが店舗区画の所有者の承認がないと進まないことがあります。

 

これは数年前に世間をにぎわせた民泊問題のときを例にするとわかりやすいです。

 

民泊をマンションで禁止するには管理規約に禁止である旨を定める必要があります。

 

そのため、複合型マンションの管理規約において、住宅側の専有部分の用途を「専ら住宅として使用する」と記載していた場合、民泊を禁止するために管理組合の総会で特別決議を得る必要がありました。

 

店舗区画の所有者のスタンス

日々の関係性が如実に表れ、そんなの店舗区画に関係無いので、どうぞご自由にというスタンスが多かったように感じました。

 

しかし、手続き論として必要なことであり、管理組合理事会において、店舗区画の組合員にも事情を説明し、管理組合の総会で管理規約を変更する了承を取り付け、手続きを進めた管理組合がありました。

 

なお、住宅区画の議決権数が大半であればいいのですが、店舗区画は面積が大きく議決権数が多い傾向があります。

 

民泊のような問題であればまだ合意は取りやすいのですが、店舗区画の議決権数がないと特別決議の4分の3を満たすことができない状況において、意見が割れるような問題が発生すると一層面倒なことになります。

 

 

4-2 会計管理の問題

標準管理規約に基づくと、管理組合、住宅部会、店舗部会が徴収する管理費等は6つに区分されてそれぞれの組織が管理します。

 

当然費用の支出はそれぞれの組織の業務範囲を確認して、各会議体で支出を決定することになります。

 

徴収する管理費等の区分

  • 全体管理費
  • 全体修繕積立金
  • 住宅一部管理費
  • 店舗一部管理費
  • 住宅一部修繕積立金
  • 店舗一部修繕積立金

 

しかし、複合型マンションのあるあるとして、住宅が負担すべき費用を管理組合で支出していたなんてことはよくあります。

 

4-3 工事の実施や費用負担の問題

電気の引き込み等、住宅も店舗も同じ設備を使用している場合、管理組合の責任区分となりわかりやすいです。

 

しかし、例えば扉1枚を挟んで手前側が店舗、向こうが管理組合の場合の扉の補修はどうしますか?

 

塗装はまだ分かりやすいが、ドアクローザーの交換を考えなければならない場合、設置場所で判断するしかありません。

 

問題が発生したときに、どの組織体で費用を負担すべきか、表面的な区分ではグレーゾーンとなることを結論付けていかなければならず、管理組合や履歴管理をする管理会社は大変です。

 

 

5 複合型マンションは行政や公共交通機関とのやりとりが大変

店舗区画の所有者が行政になることがあります。

 

こうなると何をするにも、とにかく手続きが大変になります。

 

駅直結の場合であれば、どの入口は何時まで開放といったことを取り決めていいますし、終電の時間が変わるとなるとそれにあわせて変更も必要になります。

 

また、予期せぬ問題が起こり、場合によっては、理事会や総会に出席し、説明を求めるような状況も必要となります。

 

管理組合と公共交通機関との間で定期的な会合も必要になり、管理組合役員の負担は大きなものになります。

 

 

6 複合型マンションのデメリット!現場から事業主に届け

管理組合運営から見たデメリットを中心に紹介しましたが、多くの複合型マンションは地域の活性化に貢献しています。

 

しかし、管理組合の関係者泣かせ、管理会社も疲弊するという観点は忘れてはいけません。

 

再開発組合等にかかわるデベロッパーが、過去のノウハウや実際に管理現場で起きていることを教訓にした組織構成、構造、管理規約の作成をすることで、利便性や地域の活性化だけでない複合型マンションの価値を高めることが重要だと考えます。

 

 

まとめ 複合型マンションのデメリット!管理組合運営が大変!

 

本記事のまとめ

  • 複合型マンションのデメリットは管理組合運営で明らかになる
  • 再開発による複合型マンションは地権者と新規購入者が対立
  • 複合型マンションの管理組合運営で対立を繰り返す住宅部会と店舗部会
  • 複合型マンションの管理組合運営は管理規約・会計・工事の実施や費用負担の調整が大変
  • 複合型マンションは行政や公共交通機関とのやりとりが大変
  • 複合型マンションのデメリット!現場から事業主に届け

 

一見すると駅チカの一等地に立ち、利便性、資産価値が高く住んでみたいと思う複合型マンションのデメリットを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

 

もちろん地域の活性化をはじめとして、良いことは沢山あります。

 

デメリットはコミュニティ形成の工夫や管理規約の内容でカバーできることもあります。

 

本記事がマンション選びや管理組合運営への理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

 


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