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中古マンションの購入時の注意点~管理組合運営関係~

マンション購入時に管理組合運営の注意点をチェックする様子
アシスタント
マンションは管理を買えと言われていますが、購入時にはどのようなことに注意すればいいですか?

 

「管理を買え」=「管理組合運営の実績」と言えます。本記事では管理組合運営の実績を確認するための具体的な注意点を紹介します。
ふどみつ

 

こんな方におすすめ

  • 中古マンションの購入を考えている方
  • マンションの資産価値を高めたい理事長などの管理組合関係者
  • マンションは「管理を買え」との言葉を深堀したい方

 

1 中古マンションを購入する時の仲介会社の重要事項の説明義務

中古マンションを購入する時には三井のリハウス、住友不動産販売といった仲介会社を通すことが一般的です。

 

これら仲介会社は購入者に対して予め法令で定められている一定の事項を説明しなければなりません。

 

ペットの飼育ができるかといった生活に密着するようなことは現在の所有者でもわかると思いますが、マンション全体の管理費等の滞納額といった情報をわかっている人は少ないです。※理事長でもわからない人が多いと思います。

 

その重要事項説明のために、マンション管理会社にその情報提供を依頼し、手に入れた情報を参考に仲介会社は購入者に重要事項説明を行います。

 

 

2 中古マンションの購入時に「管理組合運営」の状況を知るための質問と注意点

「管理」状況を知るための質問と注意点を、しっかりとした管理組合運営がなされているかどうかの観点から確認しましょう。

 

管理組合運営の注意点

  • ペットの飼育はできるか?
  • 管理組合全体の管理費・積立金の滞納はどれくらいか?
  • 長期修繕計画の存在と修繕積立金の㎡単価は?
  • 民泊は禁止されているか?
  • 管理組合として納税しているか?
  • 長年にわたり同じ人が理事長等の要職についていないか?
  • 共用部分は禁煙か?

 

①ペットの飼育はできるか?

■評価ポイント:できる方が良い。

20年ほど前に建てられたマンションではペットの飼育は禁止されています。

 

しかし近年建築されているマンションの多くではペット飼育が可能です。

 

ペット飼育が禁止されているマンションでは、管理組合が時代の流れを察知できていない可能性がありますので、時代ニーズを反映した動きを取ることが弱い管理組合かもしれません。

 

さらには飼育禁止でありながら、既に飼育しいている方がいるマンションにおいて、管理組合が一定の対策を取っていない場合、管理組合運営について疑問があります。

 

②管理組合全体の管理費・積立金の滞納はどれくらいか?

■評価ポイント:少なければ良いがマンションの規模によって金額基準は異なる。

 

マンション全体の滞納額を確認するときに、一人が長期にわたり滞納しているのか、もしくは数か月に及ぶ滞納者が複数いるのかといった実態を確認することが重要です。

 

例えば管理費等の引き落とし口座と給与の入金がずれるなど、1ヵ月の滞納者は意外といます。

 

これが悪いというよりその滞納期間が3ヵ月、4ヵ月と増えていかなければ特に問題視する必要はありません。

 

本当に問題なのは3ヵ月以上の滞納者が何名いるのかといった観点が重要になりますので、仲介会社を通して確認しましょう。

 

なお、必ずしも滞納があるから悪という訳ではなく、その滞納に対してどのように管理組合がアクションを取っているのかというところも確認項目です。

 

購入予定の部屋の現在の所有者が滞納している場合、その滞納は法的に新所有者に引き継がれますので、購入時には十分に注意してください。

 

③長期修繕計画の存在と修繕積立金の㎡単価は?

■評価ポイント:5年以内に作成された長期修繕計画書が存在する。また、修繕積立金は㎡単価180円~250円ほどは必要。

 

長期修繕計画書とは、快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために、将来30年程度の間に見込まれる修繕工事及び改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にし、修繕積立金の額の根拠を明確にするために作成されます。

 

そしてこの長期修繕計画書は一度作成すればそれを将来にわたり使用するものではなく、概ね5年程度を目安に更新をしていくものです。

 

また、㎡単価とは、マンションの管理費や修繕積立金は広さに応じて決まりますので、例えば100㎡のマンションに住んでいて㎡単価が100円というのであれば、月々に支払う修繕積立金は10,000円(100㎡×100円)ということです。

 

修繕積立金はマンションが分譲されるときには、将来増額することを前提に金額設定がされています。

 

そのため、改定の時期が遅くなればなるほど、将来の改定幅は大きくなるため、中古マンションを購入する時期よっては、注意しなければなりません。

 

なお、管理組合に本問題に関する危機意識がある場合、すでに一定の金額水準に変更されていますので、管理組合活動の積極性が如実に表れます。

 

長期修繕計画書や修繕積立金の相場等は、次の記事にて理解を深めていただけると幸いです。

 

 

④民泊は禁止されているか?

■評価ポイント:管理規約で禁止が規定されており、エントランス等にも禁止の旨の掲示がある。

 

分譲マンションを自らの居住用として購入する方にとっては、平穏な生活が脅かされる可能性がある民泊は禁止の方がいいです。

 

民泊を分譲マンションで禁止するには、管理規約に規定する必要があります。

 

その規約変更が決議されているか、また、エントランスや掲示板等にわかりやすく民泊禁止の掲示等がなされているかが注意点となります。

 

⑤管理組合として納税しているか?

■評価ポイント:納税している。

 

分譲マンション(管理組合)は通常納税の必要がありません。

 

しかし、駐車場を外部に貸し出すことや、屋上に携帯基地局を設置することより外部から収益を得る場合には納税の必要があります。

 

このような取り組みをしている管理組合は自主性も高く、管理組合が抱える問題を積極的に解決しようと取り組んでいると考えられます。

 

また、ここ数年でどのような行為が収益事業に該当するかが明確になってきています。

 

納税をしているということは管理組合として時勢に応じて、コンプライアンスを考慮した運営ができているということですので安心できる材料です。

 

⑥長年にわたり同じ人が理事長等の要職についていないか?

■評価ポイント:長年、役員を務めている人はいない。

 

本人が管理組合のためと思ってとっている行動も、長年管理組合活動に携わることで私物化してしまう恐れがあります。

 

その場合、新たに役員に就任した人は意見を言うことができず一人の考えをベースに管理組合の方向性が決まっていくことがあります。

 

どれだけ聡明な方でも続けて3~5年程度だと思います。

 

長期政権は弊害になりがちなので、ここ5年程度で毎年同じ人が役員になっていないか注意しましょう。

 

管理費等の使い込みのニュースを時折聞きますが、結局は長期政権が原因となっている場合が大半です。

 

⑦共用部は禁煙か?

■評価ポイント:禁煙である。

 

この数年で分譲されたマンションではバルコニーを含む共用部分は禁煙となっています。

 

ただ多くのマンションでは規定が無いことでトラブルに繋がっていることもあります。

 

禁煙が可能だった規定を禁止にしているというような管理組合は意識が高いと考えれます。

 

 

 

まとめ 中古マンションの購入時の注意点

本記事のまとめ

  • 中古マンションを購入する時の仲介会社の重要事項の説明義務
  • 中古マンションの購入時に「管理組合運営」の状況を知るための質問と注意点

 

あまり無いと考えられる切り口から中古マンションの購入時の注意事項記載してみました。

 

これら意見に反対の考えをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、なるべく多くの考え方に沿うようにしてみました。

 

皆様の中古マンション購入の一助になれば幸いです。

 

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