本記事をご覧いただくことで次のような悩みを解決します。
- マンション住まいで辞めてほしい管理人がいる場合の辞めさせ方を知りたい
- 管理人に関してマンション管理組合と管理会社の関係を正しく理解したい
マンションで態度の悪い(偉そうな)管理人を辞めさせたい。
マンションに住んでいてこのようなことで悩みを抱えていませんか。
管理人を交代させたい場合、管理人とマンション管理組合との関係を正しく認識して、客観的に事実をもとに、正しいステップで交代を要望する必要があります。
また、あなた一人が管理人の交代を要望しても、管理人のコンプライアンス違反といった重大な落ち度がなければできないことを理解しておく必要があります。
本記事では管理人を正しい認識とステップで辞めさせる(交代させる)方法を紹介します。
本記事は3分程度で読むことができますので、最後までお読みいただけると幸いです。
1 勘違いしていない?マンション管理人の立場
管理人は管理組合と管理会社の管理委託契約に基づき派遣(管理会社雇用もあれば外注もある)されています。
そして、管理人の業務はこの管理委託契約内容に含まれていないことは実施する必要はありません。
例えば次のようなことは契約に入っていないので、これらの業務を管理人にお願いしても実施してくれないときに「仕事をしない管理人」と判断してはいけません。
管理人の仕事でないこと
- 上階との騒音トラブルの仲裁
- お部屋内に関するお手伝い(管球交換、水道やエアコンの補修等)
また、住人が自腹で共用部に花を飾りたいといったことを管理人に提案したときに、管理人が「共用部なので置くことはできない」といって断られる場合があります。
これは管理人が住人の好意を踏みにじっているのではなく、共用部に勝手に物を置いてはいけないという大前提や、理事会(理事長)に確認してNGとしている場合がありますので、融通の利かない管理人と判断するのには注意が必要です。
他によくある勘違いとして、ゴミの分別作業があります。
ひどいときは「ゴミをあさっている、個人情報を盗もうとしている」といったことまで言われます。
これらの勘違いをしたまま、管理組合や管理会社に管理人の交代を要望しても、「クレーマー」、「迷惑な住人」と思われますのでご注意ください。
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2 前任の評価が高いと損をするマンション管理人
住人のことを思い、良かれと思って高齢者のお部屋に入り照明の管球を交換してあげるといった管理委託契約外のことをしている管理人がいます。
こういった管理人は住人からの評価が高くなりがちで、管理人が交代になったときに管理委託契約をしっかりと認識して対応する後任評価が「前の管理人さんはここまでやってくれたのに…」と言われ低くなることがあります。
特に長年勤めた管理人の場合、このような意見が多くなりがちで、管理会社がコンプライアンス遵守で個人間トラブルを避けるために、着任前の教育を徹底してきていることも要因の一つになっている場合があります。
3 辞めさせたほうが良いマンション管理人の特徴
辞めさせた方が良い管理人の特徴をまとめてみました。
- 挨拶をしない
- 清掃が雑、整理整頓ができない
- 個人情報を漏らす
- 管理規約のルールを独自に解釈する、独自のルール作る
- 特定の住人を優遇する
- 不潔、喫煙する
- 偉そう
3-1 挨拶をしない管理人
住人が出かけるときに「いってらっしゃい」、帰宅したときに「お帰りなさい」は当たり前のことです。
すれ違ったときに「こんにちは」の一言も言えないようでは、サービス業である管理業務は務まりません。
3-2 清掃が雑、整理整頓ができない管理人
同じガラスを拭くという作業でもムラを残す人と残さない人がいて個人差が大きいですが、清掃や整理整頓は管理人に求められる基本的な能力です。
掃除したばかりのエレベーターの鏡を子供がすぐに触ってしまい汚い状態を見て清掃ができていないと思ってしまうことがありますが、本当に清掃をしていないのか、清掃をした直後に汚れてしまっているのかという実態を把握することが大切です。
3-3 個人情報を漏らす管理人
住人の部屋番号、氏名、電話番号等の個人情報を漏らすことはコンプライアンス上、あってはならないことです。
しかし、仲の良い住人と、他の住人のことについて「仕事、家族構成、どこに旅行に行った等」といったことを、噂話のように面白おかしく言ってしまう管理人は信用できません。
3-4 管理規約のルールを独自に解釈する、独自のルール作る管理人
管理規約や管理組合が決めたルールとは別に、独自のルールを作ってしまう管理人がいます。
来客の場合、1時間まで駐車できる、使用料はいくらでいいといったことを勝手に判断してしまいます。
3-5 特定の住人を優遇する管理人
例えば共用部分を通るときにペットは抱きかかえなければいけないというマンションで、特定の人は管理人に注意されないのに、他の住人には注意をしているということはありませんか。
こんなことをしていては信用を落とすだけです。
3-6 不潔、喫煙する管理人
肩にふけが溜まっている、管理事務所で喫煙するといったことは、身だしなみや接客の際に不快に感じさせる管理人は嫌ですよね?
このポイントに関して、難しいのは臭いです。
住人には関係の無いことですが、昨今はスメハラ(スメルハラスメント)と言われたり臭いに関しては、管理会社がこの観点から管理人に注意をするときにはとても配慮が必要になります。
3-7 偉そうな管理人
企業の定年や再雇用制度の変更により減ってはきていますが、大手企業の部長等の役職にあった人が、定年後に運動がてら管理人をするケースがあります。
こういった場合、前職時代の癖が抜けずに「上から目線で住人と接する」ということがありがちです。
4 仕事をしないマンション管理人を辞めさせる方法
客観的事実に基づき、正しいステップで、正しい相手先に管理人を辞めさせるように申し入れることがポイントです。
管理人は管理会社の社員であることが多いので、このことを前提に記載します。
管理会社から管理人の派遣会社に依頼した外注先の社員の場合もありますが、申し入れる先は元請けとなっている管理会社です。
管理人を辞めさせるステップ
- 客観的事実の整理
- 理事会に客観的事実とともに管理人を辞めさせるように要望
- 理事会から管理会社に管理人の交代を申し入れ
4-1 客観的事実の整理
管理人として業務を履行しないという観点から客観的事実をもとに事実を整理します。
噂話、一方的に思っているだけのことではダメです。
4-2 理事会に客観的事実とともに管理人を辞めさせるように要望
住人が一個人で管理人を辞めさせるように管理会社伝えることはできますが、管理会社の回答は「理事会に伝えてください。」か「理事会で報告して判断いただきます。」となるでしょう。
一人一人の感情で管理人を交代させるわけにはいけませんので、管理人を派遣している根拠(契約先)となっている理事会という組織に客観的な判断を求めます。
4-3 理事会から管理会社に管理人の交代を申し入れ
理事会で「管理人がだめだ」と判断されたときに管理会社に対して「管理人の交代」を申し入れることになります。
このときのポイントとしては、雇用主との労働契約はあるにせよ、管理人は労働基準法に守られていることと、業務引継ぎの観点を忘れてはいけません。
ここまでくるとすぐに辞めさせたいのでしょうが、冷静に期日を区切り、淡々と進める必要があります。
管理会社にとって効果を発揮する申し入れとしては、「管理委託契約の解除」にも言及することです。
なお、ごくまれに管理人が次のようなことを言いだします。
- 意見を出している住人がおかしいのでこのまま勤務を続ける
- 雇用主(管理会社)に対して不当、違法人事と主張する
こうならないように管理人の交代要望は慎重に進める必要があります。
まとめ マンション管理人を辞めさせる方法~仕事をしない、偉そう、態度が悪い~
本記事のまとめ
- 勘違いしていない?マンション管理人の立場
- 前任の評価が高いと損をするマンション管理人
- 辞めさせたほうが良いマンション管理人の特徴
- 仕事をしないマンション管理人を辞めさせる方法
とにかく管理人を交代させたい場合、管理人とマンション管理組合との関係を正しく認識して、正しいステップで交代を要望する必要があります。
しかし、昨今はどの業界も人材不足でマンション管理業界は特にその傾向が顕著です。
管理人を希望通りに辞めさせたとして次にくる管理人さんが優秀とは限らないことを覚悟しておいたほうがよく、そもそも採用すらできない場合があります。
期待値は下げておかないと管理会社に対する不満に繋がりますのでご注意ください。
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