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誤解されるマンション管理組合の防犯カメラ運用規約と注意事項

防犯カメラが設置されている写真

 

マンションに防犯カメラが設置されていることはセキュリティ上、標準的な仕様になっています。

 

この防犯カメラに関しては、様々な誤解があります。

 

設置目的や運用規約を正しく理解して、安心・安全・快適なマンション生活を送れるようにしましょう。

 

こんな方におすすめ

  • マンションに防犯カメラを設置することの目的や効果を正確に理解したい方
  • マンション管理組合から防犯カメラ映像の確認を拒否され不満に思っている方
  • 防犯カメラ映像をマンション管理会社に依頼すれば見ることができる思っている方

 

 

 

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1 マンション管理組合が防犯カメラを設置する目的と設置場所

マンションエレベーター前に設置している防犯カメラ設置のステッカー

 

マンションに防犯カメラを設置する一番の目的は、犯罪やイタズラの抑止効果です。

 

防犯カメラが設置されているとわかれば、犯罪者は犯罪行為を起こしにくいものですので、防犯カメラはわかりやすい場所に、「防犯カメラ設置」といったステッカーを貼って目立たせて設置することが効果的です。

 

二番目に犯罪やいたずらが発生した場合の証拠となることがあげられます。

 

防犯カメラの効果を勘違い?

ここで誤解しがちなのが、防犯カメラを設置したからといって、必ずしも犯罪行為があったときにカメラが役に立つわけではないということです。

 

また、マンションの防犯カメラは基本的には出入口や共用部分で人の動きが多い箇所を抑えることを重要視して設置場所が選ばれます。

 

そして設置することを決定するのは管理会社でなくマンション管理組合ですが、管理会社が設置していると勘違いしている方が多いです。

 

マンション管理会社は管理組合の判断無しに勝手にカメラ映像を確認することはできないことを理解しておかないと、防犯カメラに関して間違った不満を持ってしまうことに繋がります。

 

それでは、もし、マンション内の全ての共用部部分が防犯カメラに映るようにした場合どうなるのでしょうか?

 

設置台数が膨大となり管理費や修繕積立金の負担が跳ね上がるだけです。

 

そのため、マンション内で何かが起こったときに、防犯カメラの設置場所によっては、証拠映像が無い場合があることを理解しておく必要があります。

 

 

2 マンション管理組合には防犯カメラの閲覧権限に制限がある

居住者から防犯カメラの閲覧申請があったときに、管理組合・管理会社ともに、「まずは警察に相談してください」と言いたくなるようなことを要望されることがあります。

 

ココに注意

管理組合・管理会社が本質論でそのまま返答すると「冷たい。居住者目線でない。」といってクレームに繋がることがありますので、注意が必要です。

 

マンション管理組合は共用部分の維持管理を、管理会社は管理組合から委託された業務だけを行っており、それぞれ犯人を捜すといった捜査権や居住者の生活実態にまで踏み込んで映像を確認することはありません。

 

このことを念頭に置いたうえで、次の実例を確認してください。

 

2-1 マンション出入口に停めていた自転車が盗まれた事案

自転車を盗まれたのであればまずは警察に被害届を提出し、警察から管理組合に防犯カメラの閲覧申請を行うのが、本来の流れです。

 

管理組合も管理会社も捜査権はなく、仮に盗んだ人が映っていたとして、どのようにその方を特定するのでしょうか?

 

「管理員さん(管理会社)ならわかるはず」と言う方もいますが、では、居住者と考えられる怪しい人が映っていれば、管理会社から「あなたは自転車を盗みましたか?」といって、居住者に連絡をするのでしょうか?

 

万が一、間違えであれば、名誉棄損や慰謝料ものです。

 

管理組合や管理会社はこのようなことは対応できません。

 

2-2 子供がどのようにして共用部分で遊んでいるのかを見たいという事案

勘違いもいいところで、管理組合(防犯カメラ)の私物化です。

 

他の居住者もカメラには映っていますので、その人たちの動きも監視できてしまいます。

 

他者のプライバシーの侵害もいいところの勘違いした的外れな要望ですが実際にある要望です。

 

 

3 防犯カメラの運用を管理規約・細則で明確化

防犯カメラに関するトラブル防止のため次の事項を最低限定めておく必要があります。

 

また、このような管理規約や細則の作りこみはマンション管理組合と管理会社の力量の見せどころです。

 

基本的には管理組合からその管理会社のフォーマットや他マンションの事例の提供を依頼し、以下の項目が網羅されているか確認すれば、各マンション独自の運用規約・細則が完成します。

 

3-1 防犯カメラの閲覧権限を明確にする

要約すると次のようになります。

 

防犯カメラを見ることができるとき

  • 共用部分での犯罪行為、汚損・毀損行為が発生したとき
  • 理事会にて上記の予防保全措置を講じる必要性があると判断したとき
  • 警察等の行政・公共機関等から書面による申請があったとき
  • その他、理事会が必要と認めたとき

 

警察等を通さない個人からの申請での閲覧は原則NGとします。

 

そして、閲覧の承認は原則理事会決議として、決議を経る時間的余裕が無い場合は理事長判断で可能としておきます。

 

ただし、この場合は直近の理事会での報告義務を理事長に課しておきます。

 

防犯カメラ映像の閲覧制限の緩和

警察等の行政・公共機関からの書面での閲覧申請(証拠を残すため)があった場合は、理事会や理事長の許可なく管理会社にて対応可能としておくことで、管理組合運営を円滑に進めることができます。

                   

当然ながらこの場合も直近の理事会での報告義務を管理会社に課しておきます。

 

なお、管理会社単独での閲覧を禁止し、必ず管理組合役員が立ち会うとしておきますが、ここでも警察等からの申請で、警察等が立ち会うのであれば、役員の立ち合いは不要としておきます。

 

3-2 防犯カメラ映像を見た者の守秘義務を定める

防犯カメラ映像を確認した者は守秘義務を負う 

 

閲覧立会者は、知り得た事項において守秘義務を負うことを定めておきます。

 

なお、警察等の立ち合いで無ければ、管理組合役員でない一居住者の立ち合いは不可としておきます。

 

3-3 防犯カメラの画像データの取り出しと提供を制限する

警察等の申請に基づくものは閲覧権限に連動し、管理会社でも対応可能としておきます。

 

また、個人への画像データの提供は行わないものとします。

 

3-4 記録映像の補完期限を定める

防犯カメラ映像はHDDに保管されることが一般的です。

 

カメラ映像は消えていくもの

防犯カメラは常に稼働しており、古い映像が随時新しい映像に上書きされます。

                    

HDDの容量次第ですが、一定期間(1週間~4週間程度)で記録が消去されることを明記しておきます。

 

3-5 防犯カメラ運用規約・細則は普通決議で変更できるようにする

管理規約の変更となると議決権総数及び組合員総数4分3が必要となり、変更のハードルが高くなります。

 

防犯カメラの運用細則はあくまでも、管理規約に基づく細則であり、普通決議で変更可能という構成にしておきます。

 

 

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4 マンション管理組合が防犯カメラを設置するときの手続き

防犯カメラの設置は、管理組合の総会の普通決議で良いと考えられています。

 

このことはマンション標準管理規約のコメントに記載されています。

 

設置のために極端に外観が変わるといった場合や居住者のプライバシーへの影響が大きい場合は特別決議の方が良いと考えます。

 

標準管理規約47条コメント⑤ウ

このような規定の下で、各工事に必要な総会の決議に関しては、例えば次のように考えられる。

                               

ただし、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断によることとなる。ウ)防犯化工事に関し、オートロック設備を設置する際、配線を、空き管路内に通したり、建物の外周に敷設したりするなど共用部分の加工の程度が小さい場合の工事や、防犯カメラ、防犯灯の設置工事は普通決議により、実施可能と考えられる。

 

 

 

まとめ マンション管理組合が設置する防犯カメラの運用規約と注意事項

管理組合として防犯カメラは購入するという方法だけでなく、リースやレンタルといった方法もあります。

 

それぞれのメリット、デメリットを比較して、管理組合の収支状況等も勘案して契約形態を選べば良いです。

 

また、カメラ映像の確認においては、理事会役員がおもしろ半分で映像を見るといったことや住民の申請があればネット上から住民であれば全て閲覧可能といった極端なマンションがあるようです。

 

しかし、あなたはそのようなマンションに住みたいでしょうか?

 

今回ご紹介した内容が、あなたのマンション管理組合のルール作りに役立ち、公平、公正な観点から防犯カメラが適切に活用、運用されることに繋がれば幸いです。

 

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